Nature ハイライト

聴覚:繊毛がバランスをとる

Nature 457, 7226

ゼブラフィッシュでは、ヒトやほかの脊椎動物と同様に、聴覚と平衡覚は内耳の機械センサーによって仲介される。このセンサーは耳石(平衡石)と呼ばれ、生体が作り出す鉱物の複合結晶である。Colantonioたちは、ゼブラフィッシュ胚のin vivoビデオ顕微鏡観察により、液体中に繊毛によって作り出される流れが、耳石の数、成長、存在位置だけでなく、発生段階での鉱物化にも影響することを明らかにしている。「モルホリノ」アンチセンス核酸を用いた遺伝子ノックダウンにより、ダイニン調節複合体が繊毛の運動性に必要であることが示された。したがって、繊毛が作り出す流れは、耳石の生体鉱化を制御する重要なエピジェネティック因子であると考えられ、ダイニン調節複合体サブユニットがヒトの繊毛病の疾患遺伝子候補として浮上してきた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度