Nature ハイライト

生理:やっと見つかった性

Nature 457, 7228

真菌のコウジカビ属であるAspergillus fumigatusは、免疫低下状態にあるヒトに感染する日和見病原体で、重症の喘息や副鼻腔炎にも関連するとされている。組み換えと遺伝子流動が起こることを示す証拠が集まっていたものの、A. fumigatusではこれまで、無性生殖しか観察されていなかった。発見以来145年経った今になってようやく、A. fumigatusが有性生殖も行うことが明らかになった。相補的な交配型2種類の分離株が報告されたのである。この証明によって、古典的な遺伝的解析を行う可能性が生まれ、病原性や抗菌剤耐性の遺伝的基盤に関する研究が促されるだろう。

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