Nature ハイライト 医学:脳は先回りして考える 2009年1月22日 Nature 457, 7228 脳活動の機能的磁気共鳴画像化(fMRI)は、脳の局所血流の増加がその領域でのニューロン活動と直接相関している、という仮定によっている。Y SirotinとA Dasは、サルを使って直接記録とfMRI測定を同時に行い、血流増加はこの仮定だけでは完全に説明できず、一部のfMRI信号が実際の脳活動と無関係であることを示した。脳活動を表す成分に加えて、まもなく活動に参加すると見込まれるが今はまだあまり活動していない脳領域でも、血流増加がみられたのである。この知見は、機能的脳画像化信号の現在行われている解釈法に疑問を投げかけると同時に、脳に今まで知られていなかった予測的機構があることも示している。 2009年1月22日号の Nature ハイライト 気候:季節の調整 構造生物学:GアクチンからFアクチンへ 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 宇宙:初期宇宙でどんどん進んだ星形成 光学:理想的なQ値 海洋:海でのフェリチンの役割 生理:やっと見つかった性 医学:脳は先回りして考える 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 目次へ戻る