Nature ハイライト 気候:季節の調整 2009年1月22日 Nature 457, 7228 季節の移り変わりに伴ってみられる地球表面気温の変動は多くの研究で報告されているが、これらの変化がどの程度自然変動を反映しているかははっきりしていない。Stineたちは、こうした季節変化を陸と海の両方で空間的にマッピングし、近年(1954〜2007年)の変化傾向をそれ以前(1900〜1954年)のものと比較して、この問題を新たな観点から見直した。古いほうの気温記録は自然変動が支配的であると仮定すると、近年の変化傾向は極めて異常にみえる。すなわち、1954〜2007年においては、陸域の気温のサイクルには1.7日の早まりがみられ、季節サイクルの振幅(夏と冬の温度差)は減少している。この減少に関与する機構はまだわかっていないが、1954〜2007年の陸域の変化傾向を調べたところ、自然変動とは一致しておらず、したがって人為起源の可能性があることが示唆された。 2009年1月22日号の Nature ハイライト 気候:季節の調整 構造生物学:GアクチンからFアクチンへ 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 宇宙:初期宇宙でどんどん進んだ星形成 光学:理想的なQ値 海洋:海でのフェリチンの役割 生理:やっと見つかった性 医学:脳は先回りして考える 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 目次へ戻る