Nature ハイライト 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 2009年1月22日 Nature 457, 7228 天然痘などのポックスウイルスは、K3Lと呼ばれるタンパク質を産生することで、宿主の防御をくぐり抜けて侵入する。K3Lは、脊椎動物の自然免疫系の重要な構成成分であるプロテインキナーゼR(PKR)の基質にそっくりなタンパク質である。Eldeたちは、霊長類で正の選択が非常に強く働く劇的な状況下でPKRが進化を遂げ、K3LとPKRが相互作用する部位のアミノ酸が置換されたことを示している。この進化上の変化は、宿主が擬態者に打ち勝つ機会を増やしており、こうした分子レベルの「軍拡競争」への参戦者の両方が、互いに相手の裏をかき、相手をしのぐように進化しようとする様子をよく示している。 2009年1月22日号の Nature ハイライト 気候:季節の調整 構造生物学:GアクチンからFアクチンへ 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 宇宙:初期宇宙でどんどん進んだ星形成 光学:理想的なQ値 海洋:海でのフェリチンの役割 生理:やっと見つかった性 医学:脳は先回りして考える 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 目次へ戻る