Nature ハイライト 光学:理想的なQ値 2009年1月22日 Nature 457, 7228 表面プラズモンポラリトンは、プラズモニクスやナノフォトニクスへの応用の可能性が考えられるため、その特性への関心が高まっている。表面プラズモンポラリトンは、金属と誘電体材料の界面で励起された電子密度波であり、サブ波長スケールで光と強く相互作用する。そのデバイスへの応用の第一歩としてふさわしいのは、高い性能指数すなわち高いQ値をもつプラズモン・マイクロ共振器またはナノ共振器であろう。高いQ値は、プラズモンが共振器内に強く閉じ込められ何度も跳ね返ってから出ていくため、さまざまな物理特性をもたらすことを意味する。これまで、プラズモン共振器のQ値は、可視光および近赤外波長では100未満にしかならなかった。今回Minたちは、高Qシリカ・マイクロ共振器の表面を貴金属薄層でコーティングすることによって作製された、高Q表面プラズモン「ウィスパリングギャラリー」マイクロ共振器を実証した。この構造によって、表面プラズモンモードについて近赤外領域でQが約1,380という、ほぼ理想的な値での室温動作が可能となる。 2009年1月22日号の Nature ハイライト 気候:季節の調整 構造生物学:GアクチンからFアクチンへ 細胞:環状ATPアーゼによるDNAの詰め込み方 宇宙:初期宇宙でどんどん進んだ星形成 光学:理想的なQ値 海洋:海でのフェリチンの役割 生理:やっと見つかった性 医学:脳は先回りして考える 免疫:ウイルスと自然免疫のバトル 目次へ戻る