Nature ハイライト 材料:ナノスケールでの摩擦 2009年2月26日 Nature 457, 7233 巨視的な物体が互いに滑り合う場合、摩擦力はそれら2つの間の真の接触面積に比例する。表面は粗く、実際に接触しているのは多くの小さな凸部(アスペリティ)であるため、真の接触面積は見かけの接触面積よりも小さい。こうしたマクロスケールの効果を説明する連続体接触理論は、ナノスケールでは破綻すると予測されてきたため、ナノ材料の場合はどうなるのかよくわかっていなかった。しかし、Y Moたちは、走査型力顕微鏡実験の大規模分子動力学シミュレーションを使って、単純な摩擦則はナノスケールにも当てはまることを示している。つまり、摩擦力は、アスペリティの数ではなく、滑り合う界面で化学的に相互作用する原子の数に線形依存するのである。 2009年2月26日号の Nature ハイライト 気候:南北気候シーソー 細胞:弾性が血管新生にかかわる 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 材料:ナノスケールでの摩擦 地球:砂の移動 進化:初期の脊椎動物の生殖 医学:プリオンはアルツハイマー病にも関係する 細胞:インスリンシグナル伝達の脱線 植物:植物免疫応答とサリチル酸 目次へ戻る