Nature ハイライト 植物:植物免疫応答とサリチル酸 2009年2月26日 Nature 457, 7233 植物細胞は病原体を感知し、感染に対する抵抗性を発揮する防御系を発動させる。植物の防御経路の最も早期に起こる反応の1つに、細胞質カルシウム濃度の上昇がある。しかし、Ca2+シグナルが有効な植物免疫応答を引き起こす機構は明らかになっていない。サリチル酸は、局所および全体的な抵抗性を発揮するための主要な伝達分子である。今回Duたちは、Ca2+シグナル伝達とサリチル酸が仲介する応答の間の、今まで知られていなかったつながりについて報告している。Ca2+/カルモジュリン結合型転写因子であるAtSR1/CAMTA3が、サリチル酸の主要な調節因子であるEDS1を抑制することで、サリチル酸応答を負に調節していることがわかった。AtSR1に変異を導入すると、サリチル酸の濃度が上昇し、病原菌であるPseudomonas syringaeなどに対する抵抗性が高まった。 2009年2月26日号の Nature ハイライト 気候:南北気候シーソー 細胞:弾性が血管新生にかかわる 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 材料:ナノスケールでの摩擦 地球:砂の移動 進化:初期の脊椎動物の生殖 医学:プリオンはアルツハイマー病にも関係する 細胞:インスリンシグナル伝達の脱線 植物:植物免疫応答とサリチル酸 目次へ戻る