Nature ハイライト 進化:初期の脊椎動物の生殖 2009年2月26日 Nature 457, 7233 板皮類という絶滅した化石魚類の一群であるプチクトドゥス類で、体内受精および胎生を示す証拠が最近発見され、太古の動物の生殖様式について貴重な情報が得られた。今回、これとは別の板皮類であるIncisoscutumの保存状態の良好な化石の内部に、胎仔が発見された。Incisoscutumは板皮類の中でも大規模で多様性に富む分類群である節頸類に属していることから、この発見は重要である。この化石からは、Incisoscutumの腰帯が、サメ類の体内受精で用いられる鰭脚に似た交尾器を支えるのに適応していたことが明らかになった。今回の新たな知見により、最も初期の有顎脊椎動物では、体内受精および胎生が、予想されていたよりもはるかに広く行われていたことが確認された。 2009年2月26日号の Nature ハイライト 気候:南北気候シーソー 細胞:弾性が血管新生にかかわる 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 材料:ナノスケールでの摩擦 地球:砂の移動 進化:初期の脊椎動物の生殖 医学:プリオンはアルツハイマー病にも関係する 細胞:インスリンシグナル伝達の脱線 植物:植物免疫応答とサリチル酸 目次へ戻る