Nature ハイライト 細胞:弾性が血管新生にかかわる 2009年2月26日 Nature 457, 7233 血管新生は正常な発生に不可欠であり、また、血管新生の異常は、がん、失明、関節炎など多くの疾患につながる。毛細血管形成を促進するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)などの可溶性血管新生因子についてはいろいろ明らかになっているが、機械的な力がどのようにこの過程に影響を与えるかについてはほとんどわかっていない。Mammotoたちは今回、in vitroおよびin vivoで血管新生を支配する、これまで知られていなかった機械感受性の転写制御機構について報告している。この機構では、細胞外マトリックスのコンプライアンス(弾性)が、互いに拮抗する作用をもつ転写因子であるTFII-IとGATA2の間のバランスを変化させることで、受容体であるVEGFR2の発現に影響を与える。この経路にはRhoシグナル伝達経路が関与している。 2009年2月26日号の Nature ハイライト 気候:南北気候シーソー 細胞:弾性が血管新生にかかわる 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 材料:ナノスケールでの摩擦 地球:砂の移動 進化:初期の脊椎動物の生殖 医学:プリオンはアルツハイマー病にも関係する 細胞:インスリンシグナル伝達の脱線 植物:植物免疫応答とサリチル酸 目次へ戻る