Nature ハイライト 物理:光と物質の結合の時間制御 2009年3月12日 Nature 458, 7235 基本的なレベルでの光と物質との相互作用は、過去20年にわたり、共振器量子電気力学を用いて集中的に研究されてきた。共振器量子電気力学では、反射マイクロ共振器に閉じ込められた光と原子やほかの粒子との相互作用を扱う。しかし、光と物質の結合が時間とともにどのように発展するかついては、詳しい研究が行われていない。Günterたちは今回、半導体量子井戸構造中で、光の振動の1サイクル以内の速さで強い光–物質結合をスイッチオンできる時間分解測定装置を開発した。これによって、急速なスイッチングが起きているとき裸の光子の集団が、どのようにポラリトンへ変換されるかが観測できる。この技術は、動的カシミール効果やブラックホールのホーキング放射を連想させる、量子真空放射の発生などの現象を研究するのにも適している。 2009年3月12日号の Nature ハイライト 神経:異なる感覚を共通の器官で処理する方法 物理:光と物質の結合の時間制御 物性:圧力下で増えるLiとNaの電気抵抗 材料:高速充放電が可能な電池 地球:地震への道のり 免疫:HIV/エイズでの免疫を増強する 細胞:宿主選別のための遺伝子 細胞:機能をもつ大型RNA 目次へ戻る