Nature ハイライト

細胞:機能をもつ大型RNA

Nature 458, 7235

哺乳類のゲノムからは転写によって大型の非コードRNAが多数作られるが、それらの機能は解明されていない。その一因は、これらの転写産物が進化上よく保存されていることを示す証拠がほとんどないことだが、謎に包まれたこれらの分子について解明を進める新しい方法が考案された。RNA分子そのものを対象にするのではなく、マウスの4種類の細胞のDNAにあるクロマチン修飾、すなわちエピゲノミックな標識に着目することで、大型の非コードRNA分子の存在を明らかにしたのである。この方法で調べたところ、複数のエキソンを含み、既知のタンパク質コード遺伝子座とは重なり合わず、高度に保存されている大きい転写単位が1,000個以上見つかった。これらの大型介在性非コードRNA(lincRNA)のそれぞれについて考えられる機能は、幹細胞の多能性から細胞増殖に至るまでさまざまである。こうした過程にかかわる転写因子が、特定のlincRNAを調節していることがわかった。また、こうしたlincRNAの大半は哺乳類全体でよく保存されている。

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