Nature ハイライト 材料:高速充放電が可能な電池 2009年3月12日 Nature 458, 7235 電池は、エネルギー密度は高いが充放電速度は遅く、高速放電スーパーキャパシターは、その逆であると考えられている。今回B KangとG Cederは、この仮説に対する反証となりそうなリチウムイオン電池を開発した。すなわち、速く放電し、通常のリチウムオン電池より2桁高い、スーパーキャパシターと同程度のパワー密度を維持する電池である。この性能は、電池に広く使用されている材料、LiFePO4を改良することで達成された。出発物質は、既にかなり良好な放電速度を実現しているナノサイズのLiFePO4である。次に、これを、Fe、P、Oがやや少ない同様の化合物でコーティングする。加熱により、コーティング層はガラス質の表面層となり、リチウムイオンの移動度が高くなる。この技術で作られた電池の性能は、電気化学的エネルギー貯蔵への新しい用途につながるかもしれない。 2009年3月12日号の Nature ハイライト 神経:異なる感覚を共通の器官で処理する方法 物理:光と物質の結合の時間制御 物性:圧力下で増えるLiとNaの電気抵抗 材料:高速充放電が可能な電池 地球:地震への道のり 免疫:HIV/エイズでの免疫を増強する 細胞:宿主選別のための遺伝子 細胞:機能をもつ大型RNA 目次へ戻る