Nature ハイライト 宇宙:潮汐作用で生じるイオの火山活動 2009年6月18日 Nature 459, 7249 木星の衛星イオは、太陽系で最も火山活動の活発な天体だが、その原因である激しい地質活動を引き起こしているのは、木星からの潮汐作用だと考えられている。しかし、現在の潮汐熱の生成が、表面で観測される熱の流れを生み出すのに十分なのかどうかははっきりしていない。Laineyたちは、1891年から2007年まで行われた位置天文観測の結果を使って、ガリレオ衛星の軌道運動が受ける潮汐散逸の影響を追跡することで、イオでの散逸を見積もった。得られた値は、観測された表面の熱の流れとよく一致していて、イオは熱平衡に近い状態にあると考えられる。 2009年6月18日号の Nature ハイライト 進化:恐竜の手の内 医学:マラリア原虫のタンパク質輸送装置 細胞:リステリアの二重生活 宇宙:潮汐作用で生じるイオの火山活動 物理:ナノ機械振動 気候:季節の調整 進化:皆それぞれが個体 遺伝:神経芽細胞腫でみられるコピー数多型 植物:ヒナゲシの自己認識 目次へ戻る