Nature ハイライト 植物:ヒナゲシの自己認識 2009年6月18日 Nature 459, 7249 自家不和合性は、多くの植物種にとって重要な機構であり、「自己」の花粉を確実に拒絶することで同系交配を防止している。複数の対立遺伝子が存在するS遺伝子座がこれを制御しており、これは花粉(雄)および雌ずい(雌)のS決定因子によって構成されている。Wheelerたちは、ヒナゲシ(Papaver rhoeas)の花粉が発現する、多型性の高い遺伝子PrpSの対立遺伝子3個をクローン化した。この遺伝子は、既存のデータベースにホモログが存在しない。PrpSは膜貫通タンパク質であり、花粉のS遺伝子座決定因子として機能しているらしい。この知見は、細胞間認識システムの進化の解明を助けるものになりそうだ。 2009年6月18日号の Nature ハイライト 進化:恐竜の手の内 医学:マラリア原虫のタンパク質輸送装置 細胞:リステリアの二重生活 宇宙:潮汐作用で生じるイオの火山活動 物理:ナノ機械振動 気候:季節の調整 進化:皆それぞれが個体 遺伝:神経芽細胞腫でみられるコピー数多型 植物:ヒナゲシの自己認識 目次へ戻る