Nature ハイライト 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 2010年1月28日 Nature 463, 7280 動物や植物の油は、多くのバイオ燃料や界面活性剤、溶剤、潤滑剤の粗原料である。こうした油の需要が増えつつあるのに供給源が限られていることは、食用目的との競合や価格の高騰、生産に伴う環境懸念を引き起こしている。持続可能性のある代替法の1つが、そうした製品を豊富で費用効果の高い再生可能な資源から発酵によって直接生産する方法である。J Keaslingたちは今回、まさにそれを行うための有望な方法を開発した。研究チームは、大腸菌の遺伝子を組み換え、脂肪酸エステルや脂肪アルコールという複雑度の高いバイオ燃料を、単糖類から直接生産させた。また、その大腸菌にさらに遺伝子組み換えを施してヘミセルラーゼを分泌させ、植物由来バイオマスの主要成分の1つであるヘミセルロースからバイオ燃料になるこうした化学物質を直接生産できるようにした。 2010年1月28日号の Nature ハイライト 細胞:老いた体へ新しい血を 生化学:ワルファリンの標的の構造 宇宙:一風変わった超新星 化学:鎖を断ち切る 気候:CO2フィードバックの再計算 進化:Y染色体を比べてみれば 免疫:ナチュラルヘルパー細胞 細胞:Hsp70がリソソームを救う 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 目次へ戻る