Nature ハイライト 生化学:ワルファリンの標的の構造 2010年1月28日 Nature 463, 7280 哺乳類のビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)は、血液凝固の維持に必要なビタミンKサイクルで重要なビタミンKヒドロキノンの生成過程を触媒する。VKORの細菌ホモログのX線結晶構造が、今回決定された。この構造では、VKORは、その酸化還元パートナーのチオレドキシン様ドメインと複合体を作っており、電子伝達の休止状態に対応している。これは、VKORが新たに合成されたタンパク質からの電子を使ってキノンを還元する際の機構と考えられることを示している。この研究は、広く使われる抗凝固剤でVKOR阻害作用をもつワルファリンに対する耐性がVKORの変異によって生じる仕組みを説明するのに役立ちそうだ。 2010年1月28日号の Nature ハイライト 細胞:老いた体へ新しい血を 生化学:ワルファリンの標的の構造 宇宙:一風変わった超新星 化学:鎖を断ち切る 気候:CO2フィードバックの再計算 進化:Y染色体を比べてみれば 免疫:ナチュラルヘルパー細胞 細胞:Hsp70がリソソームを救う 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 目次へ戻る