Nature ハイライト 進化:Y染色体を比べてみれば 2010年1月28日 Nature 463, 7280 チンパンジーのY染色体にある雄特有の領域の塩基配列が解読され、それとヒトY染色体とを比較して、ヒトY染色体の最近の進化について詳しい解明を進めることが可能になった。これら2つの染色体では、構造や遺伝子含量に著しい違いがあり、過去600万年の間に急激な進化があったことを示している。この発見は、Y染色体は遺伝子喪失によって極めてゆっくりと進化するだけで、構造は本質的に変化しないとする一般的な見方とは食い違っている。ヒトとチンパンジーのY染色体の進化では、むしろ改変や再構成が主流だったらしい。このような並外れた分岐の説明としては、遺伝子のヒッチハイキング効果、種特異的な配偶行動、精子生産におけるY染色体の役割などが考えられる。 2010年1月28日号の Nature ハイライト 細胞:老いた体へ新しい血を 生化学:ワルファリンの標的の構造 宇宙:一風変わった超新星 化学:鎖を断ち切る 気候:CO2フィードバックの再計算 進化:Y染色体を比べてみれば 免疫:ナチュラルヘルパー細胞 細胞:Hsp70がリソソームを救う 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 目次へ戻る