Nature ハイライト 細胞:Hsp70がリソソームを救う 2010年1月28日 Nature 463, 7280 Hsp70(熱ショックタンパク質70)として知られる進化的に保存されたシャペロンは、リソソーム膜の透過性を抑制することで細胞を守っている。この過程が起こる仕組みに関する新たな研究により、Hsp70がリソソームに局在することが、細胞保護効果に極めて重要であることが示された。Hsp70はBMPとよばれる陰イオン性脂質に結合し、この相互作用が酸性スフィンゴミエリナーゼ活性を刺激する。重症のリソソーム蓄積症であるニーマン・ピック病患者では酸性スフィンゴミエリナーゼ活性が低下しており、このような患者から採取した細胞に組み換えHsp70を投与するとこの表現型が正常化されて、異常なリソソームが修復される。この研究は、リソソーム蓄積症に対する新たな治療法につながりそうだ。 2010年1月28日号の Nature ハイライト 細胞:老いた体へ新しい血を 生化学:ワルファリンの標的の構造 宇宙:一風変わった超新星 化学:鎖を断ち切る 気候:CO2フィードバックの再計算 進化:Y染色体を比べてみれば 免疫:ナチュラルヘルパー細胞 細胞:Hsp70がリソソームを救う 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 目次へ戻る