Nature ハイライト 化学:鎖を断ち切る 2010年1月28日 Nature 463, 7280 石油由来の原料を有用な化学物質に変換するには、炭素–水素(C–H)結合や炭素–炭素(C–C)結合の開裂制御が必要なことが多い。金属中心へのC–H結合の酸化的付加によってこのような開裂を実現した例は数多くある。しかし、C–C結合について同様の変換が行われた例はほとんどない。A SattlerとG Parkinは、タングステン中心を用い、珍しい配位子の形成を利用して、強いC–C結合を開裂できることを示している。今回の研究成果によって、適切な配位子をもつその他の多くの金属中心も、同様な目的のために開発できる見込みが出てきた。これにより、原料を価値の高い化学物質に変換する新しい方法が得られそうだ。 2010年1月28日号の Nature ハイライト 細胞:老いた体へ新しい血を 生化学:ワルファリンの標的の構造 宇宙:一風変わった超新星 化学:鎖を断ち切る 気候:CO2フィードバックの再計算 進化:Y染色体を比べてみれば 免疫:ナチュラルヘルパー細胞 細胞:Hsp70がリソソームを救う 遺伝子工学:バイオマス生産量を増やす 目次へ戻る