Nature ハイライト 脳:神経コーディング 2010年5月6日 Nature 465, 7294 複数の感覚刺激に応答するとき、脳はそれらを別々の知覚カテゴリーに分類すると考えられているが、ニューロンによるその機構は未解明である。この現象を調べるのに、J Niessing とR Friedrichは匂い分子の種類と濃度を変えて、ゼブラフィッシュの嗅球の発火率変化を二光子カルシウム画像化法を使って測定した。匂いを徐々に切り替えていくと、ある匂いから別の匂いへ切り替わったところで、ニューロン発火パターンの急激な変化が起こった。同じ匂いで濃度を変化させても、大きな影響はみられなかった。これらの結果は、ニューロン回路の複数の異なる状態を想定する「アトラクター」ネットワークモデルと合致しており、ほかの感覚や認知過程にもあてはまる可能性がある。 2010年5月6日号の Nature ハイライト 脳:神経コーディング 宇宙:銀河の外側について考える 組織工学:筋肉を模倣する 地球:地球の核の磁場強度 細胞:mtDNAの交換 生理:水の味の分子基盤 医学:C型肝炎の新しい治療薬 細胞:酵母のスピードデート 構造生物学:暗所で緑化を起こす物質 目次へ戻る