Nature ハイライト 細胞:mtDNAの交換 2010年5月6日 Nature 465, 7294 ミトコンドリアDNA(mtDNA)に生じた突然変異は母親から子孫へと受け継がれて、神経、筋や心臓の障害、難聴および2型糖尿病のような遺伝病のよくみられる原因となっている。最近、非ヒト霊長類で、このような変異の伝搬が核移植技術によって防止できることが示された。今回、その概念検証実験が範囲を広げて、ヒトの胚で行われた(go.nature.com/xqgWXfを参照)。ニューカッスル大学などの混成チームは、ヒトの接合子間で前核移植を行い、in vitroで胚盤胞期まで発生させた。ドナー接合子mtDNAの持ち込みはごくわずかであることから、この技術により、ヒトのmtDNA疾患の遺伝を防止できるようになるかもしれない。 2010年5月6日号の Nature ハイライト 脳:神経コーディング 宇宙:銀河の外側について考える 組織工学:筋肉を模倣する 地球:地球の核の磁場強度 細胞:mtDNAの交換 生理:水の味の分子基盤 医学:C型肝炎の新しい治療薬 細胞:酵母のスピードデート 構造生物学:暗所で緑化を起こす物質 目次へ戻る