Nature ハイライト 地球:地球の核の磁場強度 2010年5月6日 Nature 465, 7294 地球の流体の外核は我々が測定できる地球磁場を生成しているが、その内部の磁場を測定する直接的な方法はない。内部磁場強度を計算する間接的手法では、矛盾する結果が得られている。地球の1日の長さを60年間にわたって観測した結果を用いて、内部磁場はわずか0.2ミリテスラ程度であるという見積もりが得られている一方で、数値地球ダイナモモデルではそれより1桁大きい内部磁場が予測されている。N Gilletたちは今回、核内の流れモデルを用いてこの不一致を解決した。彼らは、周期が約6年の、これまで説明されていなかった準地衡流振動のピークに着目した。これは、核とその上の固体マントルとの間の角運動量の交換によって生じる、速いねじれ波から生じることがわかった。このことから、外核の磁場強度は約4ミリテスラと見積もられ、これは地球ダイナモシミュレーションによって予測された値と一致する。 2010年5月6日号の Nature ハイライト 脳:神経コーディング 宇宙:銀河の外側について考える 組織工学:筋肉を模倣する 地球:地球の核の磁場強度 細胞:mtDNAの交換 生理:水の味の分子基盤 医学:C型肝炎の新しい治療薬 細胞:酵母のスピードデート 構造生物学:暗所で緑化を起こす物質 目次へ戻る