Nature ハイライト 地球:火山弧の形成 2010年10月7日 Nature 467, 7316 沈み込み帯の上のテクトニック・プレートで発達する、火山が湾曲した鎖のように連なっている火山弧は、地球上でみられる最も顕著なテクトニクス的特徴の1つだが、その形成を支配する過程はまだ解明されていない。P EnglandとR Katzは、沈み込み帯における熱輸送の数学的モデルから得られた単純なスケーリング論を用いて、火山弧の位置に対する一般的な説明、つまりスラブの上部近傍で起きる反応に基づいているとする考えは正しくないと主張している。彼らは、火山フロントの鮮明さとその位置の系統性を合わせると、無水固相線によって決まる境界が海溝に最も近づく場所の直上に、火山弧が位置する必要があると考えており、この地域から上昇するマグマにより運ばれる熱は、ウェッジの熱的構造を変化させ、水を含んだメルトと含まないメルトの両方が地表に到達するための流路を決めるのに十分であることを示した。 2010年10月7日号の Nature ハイライト 神経:視細胞ネットワークの地図を作製 生化学:明らかになったBRCA2タンパク質の特徴 ナノテクノロジー:帯電させて捕まえる 気候:太陽光スペクトルの変動と気候 地球:火山弧の形成 生態:気候温暖化が動物の代謝に及ぼす影響 細胞:肝細胞の倍数性 医学:感染性下痢の原因毒素を見直す 目次へ戻る