Nature ハイライト 細胞:肝細胞の倍数性 2010年10月7日 Nature 467, 7316 肝細胞の多くは倍数化しており、半数体の4倍、8倍、16倍あるいはそれ以上の染色体を含むが、この現象がどういう意味をもつのかについてはわかっていない。今回マウスでの研究で、肝細胞はin vivoで、その倍数性を増加させることも減少させることもできることが示された。これまで倍数性の減少は減数分裂に限られたものだと考えられていたが、この研究は通常の体細胞でも起こりうることを示している。倍数性の増加は細胞質分裂の不全により起こり、減少は多極的な有糸分裂によって起こる。その結果生じる遺伝学的不均一性は、肝臓が損傷を受けたときに有利に働くのかもしれない。そういう場合に多様な遺伝子型をもつ細胞集団が存在すれば、「遺伝的にロバストな」細胞が選択される可能性があるからだ。 2010年10月7日号の Nature ハイライト 神経:視細胞ネットワークの地図を作製 生化学:明らかになったBRCA2タンパク質の特徴 ナノテクノロジー:帯電させて捕まえる 気候:太陽光スペクトルの変動と気候 地球:火山弧の形成 生態:気候温暖化が動物の代謝に及ぼす影響 細胞:肝細胞の倍数性 医学:感染性下痢の原因毒素を見直す 目次へ戻る