Nature ハイライト 医学:感染性下痢の原因毒素を見直す 2010年10月7日 Nature 467, 7316 Clostridium difficileは、ヨーロッパや北米の病院で院内感染性の下痢の最も一般的な原因菌であり、2種類の毒素を産生する。これらの毒素の相対的な重要性については広く議論されている。動物実験では、精製したトキシンAだけでC. difficile感染にみられるほとんどの病態を誘導できることが示されているが、最近Natureに掲載された論文(go.nature.com/oh6un5参照)では、もう1つの毒素であるトキシンBが病気の症状の主要な原因であることが示唆されている。今回、トキシンAもしくはトキシンBのどちらか一方だけを産生するC. difficile株に加えて、どちらの毒素も産生しない二重変異株を初めて使った新たな研究により、発病には両方の毒素が重要であり、診断や治療の際には両方の毒素を考慮する必要があることが実証された。 2010年10月7日号の Nature ハイライト 神経:視細胞ネットワークの地図を作製 生化学:明らかになったBRCA2タンパク質の特徴 ナノテクノロジー:帯電させて捕まえる 気候:太陽光スペクトルの変動と気候 地球:火山弧の形成 生態:気候温暖化が動物の代謝に及ぼす影響 細胞:肝細胞の倍数性 医学:感染性下痢の原因毒素を見直す 目次へ戻る