Nature ハイライト 生理:膜の中の膜タンパク質 2009年11月26日 Nature 462, 7272 多くの膜タンパク質でX線結晶構造が決定されているが、本来の細胞膜環境中にあるタンパク質についての直接的な構造情報は極めて少ない。今回、中性子回折、固体核磁気共鳴分光法と分子動態シミュレーションを組み合わせた研究により、膜タンパク質が膜電位の変化を感知して応答するのに使われるS1-S4電位感知ドメインを含む脂質二重膜の構造と、水和の詳細な様相が明らかになった。この極性をもつ電位センサーは膜を貫通するように配向し、周囲の非極性の脂質二重層に中程度の変形を引き起こしているのが観察される。この変形は、水分子が細胞膜と相互作用して電荷をもつ残基を水和し、膜貫通電場を形成するのに十分な大きさであり、その一方で、エネルギーと構造の乱れを最小限に保っている。 2009年11月26日号の Nature ハイライト 生理:膜の中の膜タンパク質 宇宙:球状星団は寄せ集め集団 工学:シリコンベースのスピントロニクス 認知:皮膚で聞く 生理:発熱に関与する骨タンパク質 免疫:新しいヘルプの方法 生態:根粒内での協力関係 細胞:強い光による損傷を防ぐ 細胞:こっそり隠されている変異 目次へ戻る