Nature ハイライト 生態:根粒内での協力関係 2009年11月26日 Nature 462, 7272 マメ科植物は、大気中の窒素をアンモニアに還元する能力をもつリゾビウム科の窒素固定細菌と、共生関係を形成する。ホモクエン酸は、窒素固定に必要な酵素ニトロゲナーゼの重要な構成要素であるが、リゾビウム属細菌の多くはホモクエン酸シンターゼのNifV遺伝子をもたない。今回箱山雅生(農業生物資源研究所および愛知教育大学)たちは、ホモクエン酸シンターゼをコードし、マメ科モデル植物ミヤコグサ(Lotus japonicas)の根粒内で発現する遺伝子FEN1を同定した。つまり、根粒菌が窒素固定をするには宿主植物のホモクエン酸が不可欠であり、このことは共進化する共生生物どうしの相互依存関係をはっきりさせている。 2009年11月26日号の Nature ハイライト 生理:膜の中の膜タンパク質 宇宙:球状星団は寄せ集め集団 工学:シリコンベースのスピントロニクス 認知:皮膚で聞く 生理:発熱に関与する骨タンパク質 免疫:新しいヘルプの方法 生態:根粒内での協力関係 細胞:強い光による損傷を防ぐ 細胞:こっそり隠されている変異 目次へ戻る