Nature ハイライト 宇宙:球状星団は寄せ集め集団 2009年11月26日 Nature 462, 7272 天の川銀河の周りを回る球状星団は、年齢が同じで同一な組成をもつ恒星の種族の最良の近似と見なされており、それらには銀河系誕生からの星の進化が記録されている。しかし、これらの星団のうち最も明るいωケンタウリは、この傾向の例外であることが認められており、鉄の存在量と年齢が明らかに異なる複数の種族を含んでいる。今回2つの研究グループが、複数の種族が混在する球状星団がさらに発見されたことを報告している。Leeたちは、大質量の球状星団M 22が、彼らが観測したほかのいくつかの星団と同様、カルシウム存在量の異なる、はっきりと区別できる複数の種族を含んでいるのではないかという考えを確かめた。Ferraroたちは、銀河バルジ内にある球状星団に類似した系であるターザン5(Terzan 5)が、鉄の存在量と年齢の異なる2つの種族を含むことを報告している。これらの発見は、ωケンタウリ、M 22、ターザン5やこれらに似たほかの星団が、矮小銀河やほかの始原的な天体が最終的に合体して天の川銀河を形成していった名残であることを示唆するものだ。 2009年11月26日号の Nature ハイライト 生理:膜の中の膜タンパク質 宇宙:球状星団は寄せ集め集団 工学:シリコンベースのスピントロニクス 認知:皮膚で聞く 生理:発熱に関与する骨タンパク質 免疫:新しいヘルプの方法 生態:根粒内での協力関係 細胞:強い光による損傷を防ぐ 細胞:こっそり隠されている変異 目次へ戻る