Nature ハイライト 構造生物学:Rubiscoの再構築 2010年1月14日 Nature 463, 7278 自然界に最も大量に存在するタンパク質であるRubisco(リブロース-ビスリン酸カルボキシラーゼ)のform Iは、多くの植物種やシアノバクテリアが行う光合成での大気中CO2の吸収を触媒している。この酵素の低い触媒効率を改善できれば、改良種の作物を作出できる可能性があるため、これは生物工学での主要標的となっている。シアノバクテリアであるSynechococcus由来のRubiscoのin vitro再構成と低温電子顕微鏡法による研究により、GroEL/GroESシャペロニンによるサブユニットの折りたたみが、「分子ホチキス針」として働くシャペロンタンパク質RbcX2によって、サブユニットの集合と密接に共役して起こることが示された。このようにしてRubiscoを再構成できれば、これはより効率の高い酵素を作出するための有用な手段となるだろう。 2010年1月14日号の Nature ハイライト 化学:見直される主族元素 遺伝:ダイズゲノムの解読 遺伝:がんゲノムを比較する 構造生物学:Rubiscoの再構築 宇宙:銀河バルジの問題に取り組む 宇宙:恒星コロナのマップを作る 物理:加えられた次元 気候:山岳起源のモンスーン 進化:最初のヒナが肝心 目次へ戻る