Nature ハイライト 物理:加えられた次元 2010年1月14日 Nature 463, 7278 物体の像を三次元で生成するには、通例それを多数の視点から測定するか、断面ごとに走査しなくてはならない。今回J Miaoたちは、単色の入射ビームを使った1回の露光でナノスケールの三次元画像を作出する方法を開発した。アンキログラフィー(ankylography;「湾曲した」を表すギリシャ語のankylosと「書くこと」を表すgrapheinに由来する)と名付けられたこの新しい手法は、X線回折顕微鏡法に類似している。つまり、X線のコヒーレントなビームを球面からなる標的に当てると、二次元の回折像が完全な三次元構造として再構成されるのである。さらに開発が進み、検出器技術が進歩すれば、アンキログラフィーは物理科学や生命科学の有用な手段となるかもしれない。 2010年1月14日号の Nature ハイライト 化学:見直される主族元素 遺伝:ダイズゲノムの解読 遺伝:がんゲノムを比較する 構造生物学:Rubiscoの再構築 宇宙:銀河バルジの問題に取り組む 宇宙:恒星コロナのマップを作る 物理:加えられた次元 気候:山岳起源のモンスーン 進化:最初のヒナが肝心 目次へ戻る