Nature ハイライト 細胞:α-N-メチル化酵素 2010年8月26日 Nature 466, 7310 α-N-メチル化は、タンパク質のアミノ末端残基がメチル化される、あまりみられない翻訳後修飾で、その機能はほとんど解明されていない。だが、一例だけ、つまりRanグアニンヌクレオチド交換因子RCC1については、クロマチンとの結合にこのメチル化が必要なことがわかっている。30年以上も前から、真核生物のα-N特異的メチルトランスフェラーゼが存在すると考えられてきたが、今回HeLa細胞でこれが見つかった。Schanerたちは、初めて明らかになったα-N-メチルトランスフェラーゼを、N末端RCC1メチルトランスフェラーゼと名付け、さらにNRMT認識配列を明らかにし、腫瘍抑制タンパク質SET、retinoblastoma(Rb)タンパク質などの新しいメチル化標的タンパク質をいくつか同定した。また、α-N-メチル化は、正常な二極紡錘体の形成と染色体分離にも必要なことも明らかになった。 2010年8月26日号の Nature ハイライト 医学:ALSのリスク遺伝子 細胞:ウイルスによるp53の不活性化 宇宙:早くから存在したブラックホール 宇宙:ペアを作る小惑星 物理:多重エキシトンの限界は3 海洋:海洋生物多様性の調査 生態:カオス的な生態に対処する 脳:記憶におけるSIRT2の役割 細胞:α-N-メチル化酵素 目次へ戻る