Nature ハイライト

宇宙:ペアを作る小惑星

Nature 466, 7310

ペアを作る小惑星
ペアを作る小惑星 | 拡大する

Credit: JPL/NASA Research Project

主小惑星帯(メインベルト)観測への近年の関心の高まりで、数十の小惑星ペアが見つかっている。これらは、物理的には互いに束縛されてはいないが、太陽の周りをほぼ同じ軌道で回っているものだ。大きいほうの小惑星の回転分裂が小惑星ペアの形成機構であるという仮説が立てられており、いくつかの新しい観測で裏付けられている。理論では、ペアを構成している2つの小惑星の質量比は約0.2よりも小さく、質量比がこの上限値に近づくにつれて大きいほうの自転周期が延びていくと予想されている。そして、35個の小惑星ペアの測光観測では、質量比が0.2以上のものは発見されず、また質量比が0.2に近づくにつれてペアのうち大きいほうの周期が長くなることが明らかになっている。これは、母小惑星の回転分裂によって短寿命の原始連星系ができて、小惑星ペアが形成されることを示唆している。

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