Nature ハイライト
宇宙:早くから存在したブラックホール
Nature 466, 7310
超大質量ブラックホールの形成に関してこれまで提案されてきたモデルには、説明の難しい事実がある。遠方のクエーサーの観測によると、超大質量ブラックホールは、ビッグバン後十億年経たないうちに、既にその場所に存在したというのだ。今回、新たに行われた一連の数値シミュレーションによって、超大質量ブラックホールへ直接崩壊する条件が、この時間スケールで大質量原始銀河どうしの合体から自然に生じることが示唆された。複数のスケールをもつガスの流入で、大質量で不安定な中心核のガス円盤が生じ、これが膨張して1パーセク以下のスケールのガス雲をわずか10万年で形成する。この雲は重力崩壊して、大質量ブラックホールが形成されるのである。
2010年8月26日号の Nature ハイライト
医学:ALSのリスク遺伝子
細胞:ウイルスによるp53の不活性化
宇宙:早くから存在したブラックホール
宇宙:ペアを作る小惑星
物理:多重エキシトンの限界は3
海洋:海洋生物多様性の調査
生態:カオス的な生態に対処する
脳:記憶におけるSIRT2の役割
細胞:α-N-メチル化酵素