Nature ハイライト 免疫:免疫系内のバランスを保つ 2007年9月20日 Nature 449, 7160 有益な免疫応答は活性化し、正常組織に対する不適切な免疫的攻撃は起こらないようにバランスを維持するには、多数の「抑制と均衡」が必要である。サイトカインであるTGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)はそのような経路の1つで、適応免疫の負の調節因子として主要な役割を担っているが、何がTGF-βを活性化するのか、そして、どの免疫細胞がTGF-βの機能に重要であるのかはわかっていなかった。今回、インテグリンαvβ8が、TGF-βの重要な活性化因子であることがわかった。つまり、組織の樹状細胞にあるこのインテグリンがTGF-βを活性化し、次に調節性T細胞を誘導するのである。マウスでは、この経路が存在しないと、自己免疫やヒト潰瘍性大腸炎に類似した結腸の重度炎症が起こる。 2007年9月20日号の Nature ハイライト 進化:ヨーロッパへ向かった人類 量子情報科学:オンチップ量子光学 地球:残っているアルゴン40 気候:メタンによる温暖化の証拠 発生:受精におけるカルシニューリン 細胞:マークのついた幹細胞 細胞:ノッチシグナル伝達が左右する幹細胞の運命 免疫:免疫系内のバランスを保つ 目次へ戻る