Nature ハイライト

細胞:マークのついた幹細胞

Nature 449, 7160

成体幹細胞は、胚性幹細胞の代わりに治療に利用できる魅力的な細胞である。しかし、こういう細胞を成体から得て、さまざまな組織を形成させるように誘導する標準的な方法はまだ確立されていない。今回、成体の精巣から大量の幹細胞を作る方法が新たに開発され、期待がもてそうだ。この方法では、精原幹細胞の表面で見つかったGPR125というオーファン受容体をマーカーとして用いる。特殊なフィーダー細胞を使って幹細胞の成長を助けることによって、一度は精子形成を運命づけられた幹細胞が多能性(multipotency)になる。また、今回の研究からは、成体細胞が多能性を備えるための最小必要条件についても手掛かりが得られる。

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