Nature ハイライト

宇宙:星周エンベロープの中をのぞく

Nature 448, 7157

原始惑星円盤が、その周囲を取り巻く母体のエンベローブから物質を降着させているのが、クラス0原始星NGC 1333-IRAS 4Bで初めて観測された。これは、あらゆる恒星や惑星系が、その形成の際に必ずたどるとされている非常に重要な初期段階だ。スピッツァー宇宙望遠鏡による観測で、水蒸気から放射される中間赤外領域の輝線スペクトルが多数見つかった。このスペクトルは、エンベロープから物質が落ち込んで生じる衝撃波によって加熱された、極端に高密度の円盤表面に由来することを示している。いったん原始惑星円盤ができると、塵粒子の衝突でできた天体がさらに大きくなって、微惑星が成長するとされている。しかし現行の理論では、メートルサイズの岩石の形成段階を説明できない。理論では、こうした天体はすぐに中心の原始星に落下してしまうため、キロメートルサイズの微惑星が形成されないのだ。新たに行われたコンピューターシミュレーションでは、ガス円盤と岩石の相互作用によって極端に密度の高い領域ができることが示唆される。この領域では岩石どうしが非常に接近しているので、それら相互の重力により引き寄せられて何キロメートルものサイズの固体の天体になり、微惑星が直接形成されて惑星の構成要素となる。

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