Nature ハイライト

細胞:幹細胞がニッチを作る仕組み

Nature 448, 7157

幹細胞ニッチという概念が、重要な発見によって進展した。幹細胞集団が確立されるのは、組織の再生と修復にどのように関与するかを制御する特殊な解剖学的部位、つまりニッチにおいてである。今回、ヒトの胚性幹(ES)細胞は、in vivoの微小環境から取り出されても、in vitroで自発的にヒトES細胞由来繊維芽細胞様ニッチ細胞(hdF)を産生することが示された。このhdFはその後、幹細胞の生存と自己再生を促進するインスリン様増殖因子2などの支持タンパク質を供給し続けるようになる。この報告は、ヒトの胚性幹細胞の増殖および分化の制御の研究に対する新たな見方を与えるものだ。ヒトES細胞が特定の経路を通って確実に誘導できるようになれば、治療という点で、さらに関心が高まるだろう。

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