Nature ハイライト 細胞:幹細胞がニッチを作る仕組み 2007年8月30日 Nature 448, 7157 幹細胞ニッチという概念が、重要な発見によって進展した。幹細胞集団が確立されるのは、組織の再生と修復にどのように関与するかを制御する特殊な解剖学的部位、つまりニッチにおいてである。今回、ヒトの胚性幹(ES)細胞は、in vivoの微小環境から取り出されても、in vitroで自発的にヒトES細胞由来繊維芽細胞様ニッチ細胞(hdF)を産生することが示された。このhdFはその後、幹細胞の生存と自己再生を促進するインスリン様増殖因子2などの支持タンパク質を供給し続けるようになる。この報告は、ヒトの胚性幹細胞の増殖および分化の制御の研究に対する新たな見方を与えるものだ。ヒトES細胞が特定の経路を通って確実に誘導できるようになれば、治療という点で、さらに関心が高まるだろう。 2007年8月30日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞がニッチを作る仕組み 地球:酸素濃度の上昇が遅れた理由 宇宙:星周エンベロープの中をのぞく 気候:植物が気候に及ぼす影響 生態:種の移動性を考慮する 遺伝:マウスのハップマップが完成 動物行動:フェロモンで決まる愛の形 生理:ショウジョウバエはソーダ水の味がわかる 目次へ戻る