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地球:酸素濃度の上昇が遅れた理由

Nature 448, 7157

地球上の生命にとって極めて重要な大気中の酸素レベル上昇は、約25億年前に起きた。しかし、その原因となったと考えられる、酸素を生産するシアノバクテリアの存在の証拠はさらに2億年古い岩石で見つかっている。この細菌が本当に酸素を供給していたのならば、この遅れはなぜ生じたのだろうか。L KumpとM Barleyは、地球のテクトニクス(地殻変動)の進化が鍵だと考えている。最初は、海底火山が酸素のシンクとして働き、酸素が大気中に放出されるのを妨げていたのかもしれない。その後、約25億年前の大陸安定化に伴う主な変動が終わると火山活動のパターンが変わり、海底火山が急激に減少し、還元力のより低い地表の火山の方が多くなった。その結果、海底火山によって吸収される酸素が少なくなり、大気中に酸素が出現する準備が整ったというのである。

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