Nature ハイライト

科学と芸術:宇宙と交わるガラスのオブジェ

Nature 443, 7112

ハイテクアーティストの森万里子が、2006 年のシンガポール・ビエンナーレに、石柱をイメージしたガラスの造形「Tom Na H-iu(トムナフーリ)」を出品している。この作品のコンセプトは宇宙の脈を測るというものだが、本当に測っているのかどうかは別として、少なくとも宇宙線に呼応して光を放つ。その仕組みは、内部にある光源がニュートリノ観測装置スーパーカミオカンデにつながっており、死につつある星から届くニュートリノが光源の発光を制御している。そこにあるのは、新石器時代の人類に石柱を立てさせた、霊的もしくは宇宙的な思念への回帰である。

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