Nature ハイライト

生理:血流量を制御する細胞

Nature 443, 7112

脳の非侵襲性の画像化技術では、活動中の神経細胞にグルコースや酸素を余分に供給するために血流量が増加するのを検出することで、脳の活動している領域を明らかにする。これまで、血流は小動脈とよばれる毛細血管より太い血管を取り巻く平滑筋の収縮によって制御されると考えられてきた。今回、さらに別のレベル、すなわち小動脈より下流の毛細血管でも血流が制御されていることがわかった。この制御を行っているのは、活動中の神経細胞周辺の毛細血管を取り巻いている、周皮細胞という小型の細胞である。周皮細胞は、毛細血管を締め付けて中を通る血流量を減らす働きをしており、脳の画像化技術で検出されるシグナルに関与しているらしい。周皮細胞は、脳の血流がかかわる病気の治療標的にもなる可能性がある。

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