Nature ハイライト

宇宙:初期宇宙での相転移

Nature 443, 7112

素粒子物理学の標準モデルは、初期宇宙の進化で問題となる2 つの相転移を予測している。その1つが、クォークを結合して陽子と中性子を生成する強い力が関係する、量子色力学相転移である。多数の理論研究が行われたにもかかわらず、この相転移の性質はあいまいなままになっている。今回、青木保道たちは、真の相転移は存在しなかったことを示唆する膨大な計算結果を報告した。温度が変化すると、ジャンプのような相転移とはまったく異なる、急激だが連続的な変化を伴う解析的なクロスオーバーが起きた。これは、天体観測か ら相転移の実験的証拠を見いだすことがむずかしいことを意味している。

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