Nature ハイライト

遺伝:DNA の変性

Nature 443, 7112

眼球運動失行を伴う失調症1 型は、まれな神経変性疾患であり、タンパク質であるアプラタキシンに生じた変異が原因である。これまでの研究で、アプラタキシンはDNA 修復タンパク質と結合することが示されているが、DNA 修復に直接かかわっているのか、あるいは間接的にかかわっているのかは不明であった。正常型および変異型アプラタキシンタンパク質が含まれる精製抽出物を用いた実験から、アプラタキシンの作用は、活性酸素分子やフリーラジカルによってDNA 一本鎖に生じたニック(切れ目)のつなぎ合わせを助けることであるとわかった。このタンパク質は、DNA 末端の一方からアデニル酸を取り除き、うまくつながるようにする。この結果からすると、眼球運動失行を伴う失調症1 型の神経変性は、神経細胞に未修復のDNA 切断箇所が徐々に蓄積することが原因なのかもしれない。

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