Nature ハイライト
医学:免疫療法に対する黒色腫の抵抗性
Nature 490, 7420
黒色腫の中にはメラノサイト分化抗原特異的な細胞傷害性T細胞を用いる療法に反応するものがあるが、患者はこの療法に対する抵抗性を獲得することが多い。J Landsbergたちは、遺伝学的操作を施した黒色腫マウスモデルを用いて、この抵抗性が生じる機構を調べた。そして、TNF-αが促進する腫瘍細胞の可逆的脱分化は、メラノサイト抗原特異的な細胞傷害性T細胞による腫瘍の認識を障害するが、変異した非メラノサイト抗原に特異的な細胞傷害性T細胞による認識には影響を与えないことが明らかになった。この研究は、T細胞療法に対する抵抗性の原因が、性質が確定した細胞集団の選択的な増殖ではなく、腫瘍細胞の可塑性であることを示している。
2012年10月18日号の Nature ハイライト
細胞:幹細胞ニッチの安定性は加齢に伴い低下する
構造生物学:グルコース輸送体の構造を解明
宇宙:亜鉛によって裏付けられた月形成の巨大衝突説
環境:過剰な栄養が塩性湿地を脅かす
生理:ストレスがうつを悪化させる仕組み
発生:半数体幹細胞のより簡単な作製法
医学:免疫療法に対する黒色腫の抵抗性
医学:HIVワクチンの有効性
免疫:抗ウイルス応答を緩和する
医学:抗糖尿病薬としてのVEGF-B拮抗薬