Nature ハイライト
医学:HIVワクチンの有効性
Nature 490, 7420
RV144試験として知られる1万6,000人以上のボランティアがかかわった大規模な臨床試験では、ALVAC-HIVおよびAIDSVAX B/E gp120という2種類の抗HIVワクチンの組み合わせについて、HIV感染を防ぐ能力と安全性が検証された。このワクチンのHIV-1感染に対する有効率は31%であり、HIV-1エンベロープ可変ループ1と2 (V1/V2)ドメインに対する抗体は感染リスクと逆相関した。M Rollandたちは、RV144試験の参加者で見られたブレイクスルー感染(ワクチン投与中に発症する感染)の遺伝学的解析を行い、ワクチンが誘導する免疫圧に関連する特徴を明らかにして、ワクチン接種と防御の間の因果関係に対する裏付けを得た。ウイルスエンベロープの2番目の可変ループ中の169番目および181番目に当たるアミノ酸の変化がワクチンの効力と最も強く関連しており、将来のワクチンの有望な標的候補であることが示された。
2012年10月18日号の Nature ハイライト
細胞:幹細胞ニッチの安定性は加齢に伴い低下する
構造生物学:グルコース輸送体の構造を解明
宇宙:亜鉛によって裏付けられた月形成の巨大衝突説
環境:過剰な栄養が塩性湿地を脅かす
生理:ストレスがうつを悪化させる仕組み
発生:半数体幹細胞のより簡単な作製法
医学:免疫療法に対する黒色腫の抵抗性
医学:HIVワクチンの有効性
免疫:抗ウイルス応答を緩和する
医学:抗糖尿病薬としてのVEGF-B拮抗薬