Nature ハイライト
医学:抗糖尿病薬としてのVEGF-B拮抗薬
Nature 490, 7420
2型糖尿病は世界で3億1,000万人以上が罹患している慢性疾患で、患者の約90%はインスリン抵抗性を示す。今回、2型糖尿病の動物モデルを数種類使って研究が行われ、血管内皮細胞増殖因子B(VEGF-B)によるシグナル伝達を遺伝学的あるいは薬理学的に阻害すると、筋肉への脂質蓄積が抑制され、インスリン抵抗性などの2型糖尿病に見られる代謝上の有害な影響が改善されることが明らかになった。著者たちは、VEGF-Bの拮抗薬が、内皮の持つ脂質輸送特性を標的にすることで、筋肉のインスリン感受性と糖処理を改善して、2型糖尿病に効果を発揮するのではないかと考えている。
2012年10月18日号の Nature ハイライト
細胞:幹細胞ニッチの安定性は加齢に伴い低下する
構造生物学:グルコース輸送体の構造を解明
宇宙:亜鉛によって裏付けられた月形成の巨大衝突説
環境:過剰な栄養が塩性湿地を脅かす
生理:ストレスがうつを悪化させる仕組み
発生:半数体幹細胞のより簡単な作製法
医学:免疫療法に対する黒色腫の抵抗性
医学:HIVワクチンの有効性
免疫:抗ウイルス応答を緩和する
医学:抗糖尿病薬としてのVEGF-B拮抗薬