Nature ハイライト

医学:抗糖尿病薬としてのVEGF-B拮抗薬

Nature 490, 7420

2型糖尿病は世界で3億1,000万人以上が罹患している慢性疾患で、患者の約90%はインスリン抵抗性を示す。今回、2型糖尿病の動物モデルを数種類使って研究が行われ、血管内皮細胞増殖因子B(VEGF-B)によるシグナル伝達を遺伝学的あるいは薬理学的に阻害すると、筋肉への脂質蓄積が抑制され、インスリン抵抗性などの2型糖尿病に見られる代謝上の有害な影響が改善されることが明らかになった。著者たちは、VEGF-Bの拮抗薬が、内皮の持つ脂質輸送特性を標的にすることで、筋肉のインスリン感受性と糖処理を改善して、2型糖尿病に効果を発揮するのではないかと考えている。

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