Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
Nature 493, 7430
金属はいつ金属でなくなるのか。フェルミ液体論で記述される、従来型の金属を定義する電子流体はありふれており、性質は十分に解明されている。しかし、そのような理論的記述には適さない、見かけ上では金属のような系がいくつか存在する。その一例が、高温超伝導体に見られる「奇妙な金属状態」である。今回、系の基底状態が金属的でありながら、フェルミ液体とは全く異なるという現実的な物理的過程に基づく新しい理論モデルが開発されて、そのようなエキゾチックな挙動の解明が一歩近づいた。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける