Nature ハイライト
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
Nature 493, 7430
発生中の生物個体は、成長する間にどのようにして体の各部位の比率を維持しているのだろうか。こうした現象はスケーリングと呼ばれるが、その実体はほとんどわかっていない。生物学上のこの基本的な疑問を解くための新たなモデルが、今回報告された。このモデルは、マウス中胚葉細胞をシャーレ内でex vivoで培養するもので、中胚葉のパターン形成と体節形成がスケーリング現象を伴って進み、完了する。この方法により、胚が周期性のある(振動する)遺伝子活性を用いて各部位の比率を維持していることが明らかになった。この周期性を持つ遺伝子活性が、胚全体の大きさの変化に対応し、胚構造の形成を制御している。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける