Nature ハイライト
進化:エディアカラ紀の陸上生物
Nature 493, 7430
エディアカラ紀(6億3500万〜5億4200万年前)の化石は世界中のさまざまな堆積層で見つかり、浅海から深海で生成したものだと一般に考えられている。これらの化石は、その後のカンブリア紀に爆発的に進化した海洋性無脊椎動物門の初期の祖先動物、巨大な海洋性原生生物および地衣化した真菌類だと考えられてきた。今回G Retallackは、エディアカラ紀の生物が海洋性であるとする説に疑問を投げかけている。オーストラリア南部の岩が化石化した土壌(古土壌)であるという新たな説明は、少なくとも生物の一部は陸上に生息していたことを示唆している。一部のエディアカラ化石が低温で乾燥した土壌に棲む大型付着性生物であったとする著者の説は、エディアカラ化石の外観および保存状態が、海洋性動物や原生生物ではなく、生物的土壌クラストの地衣類やその他の微生物コロニーに近いという観察結果と整合している。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける