Nature ハイライト
構造生物学:プレセニリンの構造決定
Nature 493, 7430
γセクレターゼの触媒成分であるプレセニリンやシグナルペプチドペプチダーゼは、真核生物で重要な生物学的機能の調節にかかわっている膜内アスパルチルプロテアーゼである。γセクレターゼの最もよく知られた基質はアミロイド前駆体タンパク質で、これがγあるいはβセクレターゼにより切断されると短いペプチドが形成され、こうしたペプチドはアルツハイマー病の患者の脳でアミロイド斑を形成することがある。今回、プレセニリン/シグナルペプチドペプチダーゼのホモログのX線結晶構造が報告され、2つの触媒アスパラギン酸残基が脂質膜表面から約8 Å中に入ったところに位置していることがわかった。この構造は、プレセニリンやγセクレターゼ、シグナルペプチドペプチダーゼの作用機構を解明するための枠組みとして役に立ちそうだ。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける